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耳を貫く表現の完成度「聲の形」【感想・今さら魅力レビュー】

ヒューマンドラマ

表現力が高すぎるぅぅぅう

2013年の連載終了から10年経った「聲の形」(全7巻)を今さら読みました

映画は公開された2016年に見たのですが、漫画は読んでいなかった!

もっとはやく読んでおけばと後悔するくらい強いパワーがあったので勢いで感想を書いていきます!

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耳を貫く表現の完成度「聲の形」【感想・魅力レビュー】

あらすじとしては、こんな感じ!

小学生の時に主人公の石田将也が聴覚障害を持つ西宮硝子をいじめていたことをきっかけにいじめに遭い、色々な人と人間関係を修復していく贖罪系マンガ

思いを伝えるとは何か

まず、「伝えること」がこの漫画の大テーマなんじゃあないかと読んで感じました

もっと広く言えばコミュニケーションですね

先天性聴覚障害という「伝える」一点に対して難しさを感じている少女と、周りからヤバい奴とレッテルを貼られて何を「伝えて」もネガティブなイメージが付いてしまう少年

伝えるを軸にした強いコントラストがあります

他のキャラクターもいい味出しているのですが、より強いコンプレックスを持っている方に目が行ってしまいますね

1番嫌がらせをしていた石田が1番西宮に好かれる、というのが面白さのミソかなと思っています

それは誰よりも自分の想いを隠していなかったから、伝えてたから

自分へ向き合ってくれたからだと思います

本作非常に暴力的なシーンが多いのですが、伝える手段として直接的なコミュニケーションをとても意識している気がします

感覚が一つ失われているからこそ、本質的に何が良いのか悪いのかを西宮は判断する能力に長けていたんだと思います

西宮ママが石田に「近づかないで!」っていうところなんか、言葉と行動が逆さになっていてビビビッと来ました

思いを伝えるとは何なのか?を強く考えさせられました

表現力

オリジナル版が当時人気だった「進撃の巨人」「悪の華」を抜いて別冊少年マガジンで一位になったという話もすごいですね

しかも聴覚障害といじめという題材でです

このことからも、リスペクトとインパクトを両立した凄まじい表現力だったことは想像に難くありません

・物語同士のシームレスなつながりの丁寧さ

(1話6P、追いかける描写で「逃げんなよ!」から過去編へとつながるところなど)

・石田から見たクラスメイトのバツ印

(向き合えていない自分と不信感をセットで表してきた!)

・西宮から見えてる世界は、母音だけしかわからないひらがなが半分になっているセリフの表現

などなど、表現として新しくバシバシくるものが多かった印象です

レベルが高い!てか高くないとこの題材で表現できないのかなと思いました

石田はとにかくネクラで葛藤と自分が悪いという想いが強く、それが強い行動になっているのが素晴らしいなと個人的に思いました

ネガティブが持つパワーを感じます

THE・平成

あのクラスと担任のいじめの陰湿な感じ!

中学に行っても変わらない感じ!

手のひら返しする感じ!

平成感の強い漫画だと思いました

でも、暴力だったりどこか昭和の一面も残っている

令和だと、ジェンダーや障害に配慮しようとなってきていて、SNSもある中、いじめがおきづらいと思います

暴力はもっと否定されていますし…

いじめを肯定するわけではありませんが、10年経った今になって「聲の形」が出てきてもリアリティがないのかもしれません

あの時代の空気を感じるという意味で、歴史的文献としても素敵な作品!

でも直接的で温かいコミュニケーションが古き時代のものになっていくのは哀しいな〜と思いました

気づけば石田のように葛藤しています

そんなマンガです

まとめ:「聲の形」【感想・魅力レビュー】

以上、「聲の形」の感想でした

1巻の西宮のポジティブさからくるツラさを乗り越えれば、次から次に気になって読んでしまう人の暖かさ、表現の美しさを感じれるマンガだと思います

はあ、良かった。

これからどんどん「聲の形」や「オナニーマスター黒沢」みたいなマンガは受け入れられづらいのかなあ

悲しいですね〜

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