「血の轍」「惡の華」「ぼくは麻理のなか」など心情描写が特徴的な数々の名作を世に出してきた奇才漫画家・押見修造
その新作「おかえりアリス」3巻の感想や内容を書いていきます
前巻(2巻)の感想はこちら
ではまずは3巻のざっくりした内容から
「おかえりアリス」3巻のざっくりした流れ(あらすじ)【ネタバレ】
2巻は最後、慧ちゃんの家で三谷は洋平が付き合うことになり、押し入れにいた慧ちゃんにバレたところで終わりました
12話から17話が収録された3巻の内容は、
- 付き合い始めた洋平は三谷とうまくいかない(キスできず)
- 先輩に襲われそうな慧ちゃんを洋平が助けようとする
- 慧ちゃんが洋平に濃厚なキス
- 慧ちゃんはうまくいかない洋平を励ます
- キスが三谷にバレ、三谷が洋平を性行為に誘う
- ベッドで勃たない洋平、三谷は涙を流しながら「別れる」と洋平に言う
- 帰る途中、慧ちゃんにまた慰められて慧家でシャワー浴びる
1人だけ次元が違う、圧倒的な慧ちゃん「おかえりアリス」3巻の感想・考察【ネタバレ】
最初に気になった所、最後に全体の感想になります
洋平が可愛そう、、、三谷が洋平と付き合った理由
全巻で失敗したキス、今回もだめでした
「好き」の象徴としてキスが描かれている+慧ちゃんに対する洋平の様子を観察していたことから、
やはり三谷は慧ちゃんと洋平を離すために付き合ったのですね
2巻でもそうでしたが、ちょっと洋平のことを好きになってくれるかなという淡い期待が消えました
このシーンでは、「洋ちゃんも」と言っていることから、慧ちゃんにも男の部分があることを確信しているように思えます
三谷は常に慧ちゃんを意識した言動を繰り返してますね
洋平がとても可愛そう
と思ったら、コンビニ前で慧ちゃんとガチガチのディープキスが来ました!
圧倒的な余裕で慰める慧ちゃん。でも、、、
いやお前、そんな表情するなっ!
「慧・・・ちゃん・・・」じゃねえよ!
ソッコーで落とされてしまうチョロ男・洋平
まーでもこんな状況(傷ついた後)だったらしょうがないですね
3巻では2回、三谷のことで傷心した洋平が慧ちゃんがに慰められるシーンがあって、慧ちゃんはその都度カンペキな対応でした
大胆な行動かつ母のような寛容さ
こんなの人間じゃないですね、高校生のなせる技じゃあない
洋平が即オチしてしまうのも首取れるくらい頷けます
ただ!今回は慧ちゃんも怒ってました!
話してくれない洋ちゃんに学校でイラついていたのは本当なのでしょう
押見先生は意味ない描写描かないですからね
その分、熱烈なキスであり、「ありがと 洋ちゃん」は向き合ってくれてありがとうの意味もこもっていると思われます
イラッとしているところは珍しく慧ちゃんの人間らしさが出ていてステキなシーンだと思いました
空間が狂気!異常に面白いおかえりアリス
もう漫画全体の空気が狂気でした
主に三谷の笑顔から生み出されていた狂気だと思います
キス後の「ありがと洋ちゃん」や「僕も入っていい?」も超びっくりゾーン
「いやその表情やめろや!」「お前は入るな!」とツッコみながら読んでました笑
圧倒的な展開力に、思春期のリアルな揺れ動きを加えていて、さすが押見作品だなともう思わず拍手しています
やっぱり慧ちゃんだけ存在している次元が違いますね
1人だけレベルが高すぎて周りがついていけてない、ヴィッセル神戸のイニエスタみたいな感覚でした
あと、人を奪うためにかわいい女の子が性行為を求めるのは、「惡の華」でもありましたね
ここらへんの「過剰な想い」を描くのはほんと押見先生のワザです
心情描写も展開も、異常に面白かった!
まとめ:「おかえりアリス」3巻の内容・感想・考察【ネタバレ】
以上、「おかえりアリス」3巻でした
慧ちゃんが男に襲われたり、洋平が初めてに失敗したりといろいろありましたが、
思い返せば結局「慧ちゃんあっぱれ」の一言に尽きる巻でした
慧ちゃんが男を降りた理由などもまだまだなので、過去編もありそうです!
4巻の考察・感想はこちら
「おかえりアリス」の魅力はココッな記事↓
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