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美人のママ、美人のまま「血の轍」14巻の感想・考察【ネタバレ注意】

巻ごとの感想レビュー

「惡の華」「ぼくは麻理のなか」など、爆発的な心情描写が描かれる名作を世に出してきた奇才漫画家・押見修造

彼の描く「血の轍」14巻の感想や考察、見どころを書いていきます

14巻のあらすじにこう書いてありました

「静一は、己の人生を、”無事”に終わらせることができるのか!?」

いや、終わらせる前提かい!

と思ってしまいました

それでは、参ります

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美人のママ、美人のまま「血の轍」14巻の感想・考察【ネタバレ】

引き続き青い表紙

静一は祈るような姿勢ですね…

お父さんが表紙に描かれることはなく、13巻で初めて静一が1人で表紙になったと思ったら、またヤツがいる!

お母さんの影がちらつく巻であることは、もう間違いないわけですが、どんな展開が・・・

ドキドキしながら購入し、精神統一してから震える手で読みすすめて行きました

「血の轍」を読むときはエネルギーをかなり使うので、覚悟を決めなければいけませんよね笑

吹石との再開

出典:血の轍 118話

えぇ〜、再開でどうなっちゃうの〜〜〜??

と13巻のときから思っていましたが、あ、あれ?という感じでした

上のシーンで吹石がビビッと来ていたら、また変わったかもしれませんね

12巻までが中学生の時の話でしたから、そこから20年以上経っています

20年の時は残酷ですね

2児の母となっていた吹石、いや〜キレイ!

娘たちの反応からずっと地元に住んでいるのでしょうが、最後に彼が長部静一であることを思い出します

ただ、最後まで静一の表情、一切笑顔がありません

こんなさらっと吹石との再開シーンを済ませてしまうあたり、

もはや吹石への未練はゼロ、ママへの執着が続いているということです

吹石の悲しそうな顔は、静一の苦悩を感じ取ってのことでしょう…

自殺を止める守護霊ママ

出典:血の轍 121話

2度、静一は自殺しようとしました

が、そのたびにママの幻影が止めます

電車に飛び込もうとしたとき、静一が泣いていたのは、

  • ママを取り払えない自分の弱さ
  • 自殺を実行できない情けなさ
  • ママに守られた悔しさ、安堵感

などなど、さまざまな気持ちがごちゃごちゃになっているのが伝わってきます

↓この顔を静一がしたのは初、心情・表情描写への押見先生の飽くなき探究心がヤバすぎます

出典:血の轍 121話

んでもって、作画崩壊の使い方がうますぎますよね

裁判所で初めて行われた作画崩壊によって精神状態を表す手法ですが、14巻は特に効果的に用いられていたように思えます

空に浮かぶ目なんかもう最たるもので、これは「悪の華」でもありましたね

全世界すべてが自分を見ていて、常にママに監視・否定されている感覚

ゆがみ、線のゆらぎ、雑さ、全てが静一の心情を描写することに特化していて、押見先生は怪物としかいいようがありません…

美人のママ、美人のまま

出典:血の轍 123話

えええええぇぇぇぇえ!!

若すぎる…

中学生の時よりさらにかわいく若くなっていますね

これまでも静一を通しての美化されたママでしたが、まだその幻想が目を、心を支配していることがわかります

警察署でドアを開けた後下を向いていたのは、見たくない現実だったからこそ

怖いもの見たさで、見てしまえばまた取り込まれることをわかっていたからだと思います

そしてこのシーン

出典:血の轍 122話

いや〜、もう表現の幅がすごい!

老化したママと若いママが目に同居していますね

理想のママを捨てきれなくなった静一が読み取れます

それはそうですよね。

もし、ここで老化したままのママの顔を見てしまったら、これまで子供の頃から見てきたママも醜い存在だと認めなくてはいけませんから

それは、自分自身を否定するということにも繋がります

自分への否定から逃げたということは、まだ静一は「死にたくない」

「生」に執着があるということですね

ママの家に行ってからもずっと大きく見開いた目

なのに、まるでSNOW加工のように美人フィルターを通してしか見れない現実

吹石は老化していたのに、母はむしろ子どもになるシーンもありました

この漫画は、静一を通した世界なので、ママを弱い無力な存在として認識したのでしょう

「目」は最終章に入ってから特に注目ポイントですね

猫の絵の意味

出典:血の轍 125話

まず、9巻で猫は死んで放置された自分自身であることに静一は気づいています

これ、こちらの動画では、ネクロフィリア(死体性愛)という観点から分析されているのですが、変わらないものに対する支配というのは、かなりありそうです

猫も自分も、支配された存在、死んでいるものなんです

14巻も、変わらない自分、変わらない自分が嫌な自分、負のスパイラルを感じたとこで終わりましたね

しかし、14巻で初めてキバをむきました!

ハエはいるので、死んでいるということは変わらずですが、「反抗」は、静一の中で大きな変化だったはずです

この猫が生き返るときは来るのか、というところに注目して今後読んでいきたいと思います

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まとめ:「血の轍」14巻の感想・考察【ネタバレあり】

以上、「血の轍」14巻の感想・考察でした

静一の中でいろいろと良い兆しがあったので、このまま回復していってほしいですね

巻の最後に、押見先生の吐露がありました

描く側もまともな精神状態ではいられないのだと改めて感じさせますね

押見先生もずっと前のインタビューで、「血の轍を描いたら引退しても良い」とおっしゃっていたので、更にそれが加速している感じがあります

自分と重ね合わせて描いているとのことだったので、この作品そのものが押見先生

作品の否定は、押見先生の人格否定みたいなものです

批判する際は、そこらへんのことをわかっておく必要がありますね

改めて、「おかえりアリス」と同時に連載しているのヤバすぎます

押見先生、休んでください…

前回の感想はこちら

押見先生のインタビューまとめ↓

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