素晴らしすぎました。今更ですが面白かったです「惡の華」
いつもはちゃんと魅力を分析している筆者ですが、この漫画に関してはかなり詩的に面白かった部分と感想を書こうと思います
ツラツラと書きましたが、結果としてネタバレはほぼありません
結論から言うと、面白いと思った部分は、表情描写と繊細な爆発性です
それでは、いってみましょう!
漫画「惡の華」を全巻読んで感じたエグみ【感想】
鬼神のごとき表情描写
まず、「表情描写の鬼」でした
心情描写の秀逸さは「惡の華」の魅力なのですが、その心情を表すのはなんといってもこの表情
もう異次元の領域です
人が描ける表情か?と何度も思いました
エモいという一言で片付ければ楽です
ただ、もはやそこには言葉にできないエゲツなさがありました
言葉にできないから心情なのでしょうか
言葉だから心を描けないのでしょうか
心だから言葉を表せないのでしょうか?
一見深いことを言ってそうで全く言っていないニワトリたまご禅問答はさておき、
文字のないコマの破壊力たるや(文字なし顔アップコマとても多いですよね)
巻を重ねるごとに増してく空間の精密さと静かさたるや
後半の方は、ずっと夕焼け空を見ているような黄昏た気持ちでした
つまり、エモい!
爆発性のある繊細さ
表情の繊細な機微を捉えながら、やってることは大胆かつ狂気的な非常識
ヒューマンドラマでここまでの爆弾を落とせるのか、と思いました
ダイナマイトよりもノーベル賞級
大タル爆弾を胸の中で爆発させられた衝撃
オイルショック並に心がザワザワしていました
濃度はさながら原油、濃縮された生のエネルギーに圧倒されるばかり
純文学の濃さに映画のセンセーショナルさをあわせた感じでしたね
「灯油とライター」という言葉が出てきましたが、気持ちとしては重油と火炎放射器
この濃密さなのに、ストーリーは読んでてスカッとする部分もあって、次がズンズン気になるんです
とても不思議です
思春期の心の揺れを開放された狂気によって肥大化させてる感じがハマりますね
ある意味での青春、尋常ならざる青春の1ページでした
あと、「ほんと、裏切ってくるね〜」、と何回も思わされました
SF的な解明できない力が働いているわけでもない、人間話なのにこの展開の力強さ
裏切りの玉手箱でした
整理できない情報量で攻めてくるので、何年後かに読んだらまた違った感想になるのでしょうな
花がなんだかスゴい
作中に度々出ていた「惡の華」と思しき1つ目の黒い花
これイイですよね〜
浅い解釈になりますが、悪い負の気持ちを表しているのでしょうか
負の感情があると花の目(芽)が開く感じだと思っています
過去のトラウマとかも表してたのかな
目が閉じてるか開いているかめちゃくちゃ気になりました!
まとめ:漫画「惡の華」を全巻読んで感じたエグみ【感想】
以上、「惡の華」の感想でした
押見修造先生の作品は心情描写がマネできないズバ抜けなのは有名ですが、奇想天外力も高いです
善も悪もないまぜにするようなエグみの強い作品、すげえですね!
最後に一言
アクノハナ 向こう側への扉 開くのかな
押見修造先生の作品のレビュー↓
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