マンガ大賞2024の大賞を受賞した「君と宇宙を歩くために」が面白かったので、感想と魅力を書きます
この作品を簡単に言うとこんな感じ
マンガ大賞は特徴として、ヒューマンドラマだったりちょっとダークだったり、じみーだけど自力のある作品が選ばれる印象です
響、ブルーピリオド、これ描いて死ねなど、創作系の漫画が選ばれがちですね
毎年マンガ大賞は、楽しみにしていて読むことにしているのですが、
「君と宇宙を歩くために」は、意外でした
「君と宇宙を歩くために」感想・魅力
ただただ丁寧
かなりシンプルというか、
原点に帰ったような丁寧な心情描写!
マンガ大賞を含める受賞作品は、総合力の高い漫画が選ばれやすいというか、
特徴が何個もある作品がえばられることが多いのですが、
「君と宇宙を歩くために」は、一点突破
ただただ、丁寧な心の表現だと感じました
丁寧という意味で優しいし、読みやすいという意味で易しいですね
宇野と小林という正反対に見えるけど、人と同じことができない2人を軸に話が進んでいくのですが、
言語化しつつ、言語化しすぎずというバランスが美しかったです
「笑われたり怒られたりすると、怖くて恥ずかしい気持ちになります」
これは、長い時間自分の内面に向き合って出てきた言葉だと思います
作者の葛藤を感じました
描き方の丁寧さと、宇野や小林のノートに書く丁寧さが絶妙なリズムでマッチしています
「怖くて恥ずかしい」というのは、抽象と具体の間ですよね
ちょっと抽象寄りかな
それを、「宇宙に浮いているみたい」と表現している
これは素敵な表現ですね
たしかに、誰にでもわからなくなることの恥ずかしさ強さはあります
それを宇宙…
自分の中という狭さと、宇宙という広さが同居していていいですね
作中に出てくるキーアイテムであるメモ帳という具体性を中心に、
それでもメモできない抽象的な葛藤
小林と宇野、抽象と具体、嬉しさと強さ、わからないとわかる
2項対立の描き方が本当に、丁寧だと感じました
わかる〜という感じではない
あとこれ、あえて、共感性を低く設定してある気がします
不必要に暗くしすぎずアップテンポで人も前向き
宇野は知的な障害を持っているように見えるのですが、
その違和感を読者に徐々に受け入れさせていきつつも「こういう存在なんだな」と思わせています
没入というより肯定
が近いと感じました
「障害」ではなくしっかりと「変わり者」として描いていますね
それによって、サクサク読めます
障害や平成を題材にしていることもあり、
他の人と違うことをどう認めていくのかという点では
どことなく「聲の形」と似ているように感じました
(心情の表現では「聲の形」に軍配が上がると思いますが…)
令和ではないチャラついたノリとか、未完成さが平成を感じさせていいですよね
平成すらもあの頃はよかったなーとか思ってしまうのでしょうか笑
あらますぐ老害
まとめ:「君と宇宙を歩くために」感想と魅力
以上、「君と宇宙を歩くために」の感想でした
とにかく丁寧な一作
なのに普通とか何なのか、成長とは何かなど堅苦しいテーマを感じさせない点が、
とてもGOODです
浸透する感じ
イイネ
コメント